9.7インチ iPad Pro ディスプレイレビュー

こんにちは、miyahan.com のミヤハンです。このたび私のブログ "miyalog" をはてなブログへ引っ越しいたしました。今後ともよろしくお願いします。(いろいろ理由はあるけど、markdown でブログ書きたかったってのが一番大きい)

iPad Pro がやってきた

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実はいままで使っていたタブレットがなんと iPad 2 でして、IOSバージョンアップのたびに動作がもっさりになっていき、とうとう日本語入力すらままならない状況に陥っていました。iPad Air 3 のおあずけを食らい日々枕を涙で濡らす毎日でしたが、待ちに待った iPad Pro 9.7" の発表に即日ばいなう。待ち焦がれた1年間に比べれば、RAMが少し少なかったりカメラがもっこりしていることなど些細な問題です。

すでに iPad のレビューなど何百、何千とあるでしょうから、本記事では iPad Pro で刷新されたディスプレイに焦点を当て、データを交えて語りたいと思います。

iPad Pro 9.7” ディスプレイ性能検証

"Pro Display" と称したディスプレイは、iPad Air 2 と比べ輝度(ブライトネス)が25%、色域(カラーガマット)が25%向上しており、グレア(外光の映り込み)を40%低減しているとのことです。

まずグレアについては、画面に映り込む照明のシルエットが明らかに薄くなっており低反射コーティングが進化していることが見て取れます。ただ私の場合は液晶保護シートを貼ってしまったので、この恩恵は受けられません。ごめんねフィル。

次に輝度・色域について、x-rite の分光測色計 "ColorMunki" を使って、そのポテンシャルを測定しました。条件は次の通りです

  • iPad 2
    • 明るさ : 最大
    • 明るさの自動調整 : OFF
  • iPad Pro 9.7"
    • 明るさ : 最大
    • 明るさの自動調整 : OFF
    • True Tone : OFF
    • Night Shift : OFF

輝度・コントラスト比・色温度

iPad 2 iPad Pro 9.7"
最大輝度 380cd/m2 470cd/m2
黒レベル 0.48cd/m2 0.51cd/m2
コントラスト比 800:1 920:1
色温度 6700K 6650K
色温度 Δuv 0.0038 0.0003

iPad Pro 9.7" は 明るさが iPad 2 と比べ24%ほどアップしています。なお、ITmedia “新しいiPad”を正しい色の液晶ディスプレイと見比べる を見るに、私の iPad 2 はかなり明るい個体のようです。iPad 2 が 350cd/m2iPad 3 〜 Air 2 が 420cd/m2 となると順当な進化と言えるでしょう。

コントラスト比は 800:1 から 920:1 と少し向上していますが測定誤差な気もします。また色温度はどちらも 6700K 前後と、標準規格の 6500K よりわずかに高め(青め)となっています。

色域

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iPad 2 and iPad Pro 9.7" Color Gamut (グレイ部分が sRGB)

次に色域ですが、見ての通り大幅に向上しています。ITmedia “新しいiPad”を正しい色の液晶ディスプレイと見比べる を見ると、iPad 2iPad 3 のときに色域が大幅に広がり、今回さらにグリーンの色純度が高くなりほぼ sRGB をカバーするようになったようです。それにしても疑似白色LEDは赤の発色が苦手なのですが、ここまで鮮烈な赤色を表現できるというのは驚きです。

というわけで、iPad 2 からは飛躍的なスペックアップを果たしたものの、キーノートでの「従来機種より輝度・色域が25%向上」という発言には疑問が残ります。

画像比較

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ご覧の通り、色の表現力が格段に向上しています。

True Tone 感想

iPad Pro の 9.7インチ版にかない "True Tone ディスプレイ" 機能は4つの環境光センサを使い、まわりの環境に合わせてディスプレイの明るさ・色温度を自動調整してくれる機能です。

我が家は各部屋・キッチン・玄関を 5000K (昼白色)、居間・洗面所を 3000K (電球色) にしていますが、iPad を持って各部屋を移動すると、目が環境に適応していくように明るさや色が「じわ〜」っと変化していきます。具体的には

  • True Tone オフ : 6800K
  • 昼白色(5000K) : 6200K
  • 電球色(3000K) : 5800K

となり環境光に対して一見控えめな変化になっていますが、この繊細で絶妙な調整により自然な色合いを長時間楽しむことができます

Night Shift 感想

iOS 9.3 で導入された "Night Shift" は、近年問題になっているブルーライトによる体内時計の狂い・睡眠障害に対するアップルの提案です。日の入りとともにディスプレイの色温度を下げ、ブルーライトをカットし良質な眠りに導くとのことです。

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波長スペクトル [nm]

スペクトル測定の結果、Night Shift 機能により波長500nm以下のいわゆるブルーライト成分が大幅に軽減されていることがわかります。

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iPad Pro 9.7" with Night Shift (電球環境下)

Night Shift は欧米の電球で優しく照らされたベッドルームでは違和感なく使えるのですが、青白い蛍光灯で部屋全体をピカピカに照らされた部屋では「いきなり液晶の色がおかしくなった。故障!?」と激しい違和感を感じるでしょう。ブルーライト大好きな日本ではヘタすると「尿液晶機能」などと罵られるかもしれませんね・・・。まあ、先進国向けの機能ですので、気にくわなければ使わなければ良いだけのことです。

私はベッドの照明を電球色のLEDにしているので活用していきたいと思います。また日の入り時間ではなく任意の時刻にも設定できるので、就寝時間にセットして「画面が暖色になったら寝なさい」というサインにするのもアリだと思います。

さいごに

今回、iPad 2 から iPad Pro 9.7" とタイムスリップを果たしたわけですが、2つの iPad を比べることで iPad Pro の完成度の高さ、そして同時に iPad 2 の完成度の高さも実感することができました。iPad 2 でアップルが示したタブレットのあり方は既に完成しており、iPad Pro ではそれを高め、より高品位で快適なユーザー体験を享受することができるようになりました。

「正直ほぼ寝モバ専用機だし、わざわざ Pro にすること無かったかなー」と思っていましたが、すべてがストレス無くキビキビ動き、画面はきれいで疲れにくく、内蔵スピーカーの音も格段によくなった。指を置くだけだけロックが解除できる Touch ID もものすごく便利。そして軽くて薄い(細い)と大満足な買い換えになりました。スペック不足でできなかった iOS版ドラゴンクエストXIII を購入しプレイする今日この頃です。

document control

  • 2016/4/4 : 初版
  • 2016/4/5 : データが不正確だったため再測定、波長スペクトルグラフを追加